9月29日、ハバロフスク郷土博物館 Хабаровский краевой Музей を訪れた。ここにはハバロフスク地方の歴史や動植物、人々の暮らしなどが展示されている。
アムール虎もすごくて、とても怖いけど(笑)、なによりも心に迫ったものは他にあった。
それは冷戦時代に当たる時期のものだが、何気ない子供のおもちゃや、日常生活で使われていた台所用品などだった。それらはとてもシンプルであったが、何か未来を信じているほのぼのとしたものが感じられた。
遠い記憶をたどれば、自分の子供時代にはこの地はまさしく鉄のカーテンに隔てられた向こう側の世界、反世界のようだった。私達はまるで悪魔が住む国のようなイメージを刷り込まれていた。
ところが、この展示物は語りかけてくる。当時ここに住む人々の生活とその心は自分たちのそれとちっとも変わらないものであったと。
もちろん頭ではわかってはいたが、それらのなんということはない展示物はあらためて語りかけてくる。
(画像がなくて申し訳ないが、少しボーッとして展示物を見ていたので写真を撮るのを忘れてしまった)
人々を互いに憎み合わせ戦いへと導くものとは、いったい何なのか。この古くて新しい問に戸惑ってしまう。一人ひとりの心の中にあることはもちろんだが、システムとして戦争に導く勢力の存在を、けして許してはならないことは言うまいでもない。